和泉屋は、中世から海運の賑わいを見せた松崎に大阪から移り住んで、衣装方として芝居興行や回漕業を営み、やがて名主などの村役を務めると共に三代に渡り商いを賑わしました。
商人としてすべての人(ひと)と良好な交際を保つためには、教養が欠かせないことから、生花をはじめお茶、謡、長唄を嗜み、また敬神崇祖の念厚く相生堂や各神社仏閣の奉灯行事には中心的役割を果たしました。
なまこ壁の土蔵には、茶道、生花のお道具や教本、書画や句合など多くの文化遺産が残されており、当時の商人の暮らしぶりや文化を垣間見ることができます。実際に史料を見ていだき、江戸明治時代の暮らしぶりや文化を識ることができます。
鸚鵡石(おうむせき)
歌舞伎狂言の名台詞(めいぜりふ)を集めた小冊子。役者の声色を使う台本にも用いられた。
江戸時代には、上演のたびに劇場や江戸市内で盛んに売られた。
幕末頃は、役者の似顔絵の錦絵風の表紙をつけて刊行されたが、明治以後ほとんど跡を絶った。